2019年10月14日月曜日

床上浸水と停電により後ほど連絡を受ける

台風19号がかなり凄いらしいとニュースやツイッターで聞きはすれど、
どうせ大したことなんて起きないだろうと12日は日中NHKを垂れ流しつつボーダーランズ3を知人とプレイしていた。
そのうち外でサイレンが鳴った。この町に30年住んでいるがサイレンなぞ初めて聞いた。まぁいつもよりもちょっとだけすごいんだろう。

夕方また外でサイレンが鳴った。普段とちょいと違うんだろう。
それくらいの感覚だったので母と話し普段よりもはやい時間に飯を食ってはやい時間に風呂に入っておこう。そういうことにした。

ただ、普段よりもニュースが物騒なことを言ってるので猫の餌、猫の避難用キャリーバッグ、祖母のオシメなどの介護用品を2階に上げておこう。そういうことになった。
それらを二階に上げた後祖母の話題になった。
一階のベッドで寝ている祖母は要介護なので避難所に言ってもどうにもならない。だから床上浸水した場合は俺がオンブして二階に避難してもらおう、一度もそんなことはしたことがなく祖母自身自力では介護判定になってから一度も二階に上がったことはないのだが。。。

その場合車椅子って二階の廊下を移動できるんだっけ?どの部屋に寝てもらう?
試しに車椅子を二階に上げてみて廊下を移動させてみる。自分の部屋以外は
二階のトイレまで車椅子を乗り回せないだろう。まぁそんなことにはならないだろうが今後の防災のためのシチューエション確認である。

さてようやく俺と母の食事だ。普段よりも物騒な報道をされている台風のおかげでスーパーであまり手ごろなものが売ってなかった。
我が家のカレーは普段安い豚肉だが、母が仕事が終わりスーパーにたどり着いたころには高級カレー用牛肉しか売ってなかった。だから今日のカレーは普段よりもリッチだ。台風様様である。

食事が終わり煙草を吸ってから俺が先に風呂入るわ、となり母は祖母の食事を用意することにした。
自室で煙草を吸うために食卓から廊下に出たときに、廊下で土の臭いをかいだのである。
母になんか廊下が土臭い、普段よりも雨が凄いんだろうねぇなんて言って階段を上がり自室で煙草に火をつけたときに一階から母親が俺を呼んだ。「外が凄いことになっている」

既に道路は水に沈んでいて玄関の靴を置く一段低い場所まで1cmほどまで水位が上がっていて玄関が水日だしになる危険性があった。
母と祖母の部屋まで行き祖母を俺がオンブして母が後ろから祖母のケツを補助するかたちで階段を上がり俺の自室の寝床に寝てもらった。
そのまま一階にあった祖母の車椅子、歩行器を俺の部屋にぶち込んだのちに、母と一階に戻り、母は祖母の食事の用意を始めた。俺はその時に母と台所にいた。

その時、ボコンと音を立てて台所の床下収納の蓋が持ち上がったのである。何を言っているのかわからない上に我が家は床下にニンジャを雇っていないのだが、床下収納の蓋がプカプカと浮かび上がってきたので蓋を外した。
中で収納部分の容器が水に浮いているということは床下浸水である。

母に新聞紙を持ってこいといい床に敷いてもらい床下収納の容器部分を引き上げて床に置き蓋を閉じる。
テーブルを動かしテーブルの脚で床下収納の蓋を踏んだ。

祖母の食事を母は用意して2階に運びはじめ、母に先に風呂に入れと言われ俺は着替えを持って風呂に入った。
...が水が排水溝に入っていかないのである。シャワーは出る。上水は大丈夫なのだが下水が機能していない。
風呂に入ることをあきらめトイレで用を足し、水を流した。
冷静な読者であれば分かっていると思うが下水が機能していないのに上水が流れるからとトイレの水を流すとどうなるか、なお、大のほうであった。これ以上の詳細は語る必要はないでしょう
トイレの話はうやむやにするとして玄関に水が入ってきた。

一階を捨てるぞという宣言で俺も母も1階のその辺のモノをテーブルの上に乗せて二階に上がる。
祖母に「バーチャンすまんねぇ、床下浸水始まっちゃってさぁ煙草くせぇし狭いが一日我慢してくれ」とか言いつつモニタアームで釣っていたモニタを調整し祖母が寝ているベッドから見やすいようにしNHKをつけた。
祖母も「いつもの私の部屋よりいいわー!猫はいるし寝ていてもテレビが見れるし」なんて言ってくれる余裕と、
今までそういうことをしたことはなかったがオンブされて二階に上げられるという事態であると理解してくれた。
祖母はほぼボケておらず頭はピンシャカしているという認識なので介護する側としては非常にありがたい。

電気と上水は生きている。ガスは二階にはないが電気ケトルも電気ポットもある。下水が機能しないため母は昔買ってきた携帯トイレ50個分を発掘しトイレに備える作業をした。
懐中電灯は2個、携帯ラジオも1つ、単三乾電池96本に単四乾電池48本、食料は運んできている。水14リットル、コーラ2リットル、ペットボトルコーヒー20リットルにカップ麺6つ、菓子パンもあるし柿の種もある。台風は今夜には過ぎるだろうからまぁ一晩念のために二階に避難だな。という程度だった。

ボケーっと祖母を寝かしている部屋のテレビの音を隣の部屋で聞きつつ3DSでメダロットクラシックしつつ眠くならねーなーと思っていたのだが、その時電気が消えた。つーかテレビの音をも聞こえなくなったというかブレーカーが落ちた。

んなあほな、この家の定常時ではこの程度でしかも現時点で一階は放棄してかなりの数の家電の電源を落としコンセント抜いてきた状態で電気の使い過ぎでブレーカーが落ちるわけねぇと思いつつ懐中電灯を持って階段に向かい一階の様子を確認しに行ったのだがこの時すでに廊下は水浸しだった。つまり床上浸水を確認したのである。
廊下から見てまだ5cmとかだったんだろうか...ツイッターに「やべーよ床上浸水してきたよ停電したよ」的なことを発言しつつ、周囲から停電したならブレーカー落とせと言われ足を濡らしながらブレーカーを全部下した。

この前後くらいから家全体からゴボゴボというトイレで水を流した時のような音がするようになった。

人間3人と猫1匹、猫はともかくとして人間3人に対して懐中電灯は2個、用を足しに部屋から離れる者もいれば下の様子を階段越しに見に行く者もいる。そうなってようやく懐中電灯ってそもそも人数分あるだけじゃダメじゃね?人数の二倍くらいないと不自由じゃね?とか懐中電灯じゃなくてLEDランタンみたいな周囲を照らせるものがないとくらくてシャレにならなくね?と気が付く、とりあえずアマゾンで手ごろな商品を眺めて今度は買っておこう程度に考える。

台風が近いのか雨風が凄く家が揺れる。そんな時に一階で轟音がした。階段から下の様子を見るが何が起きたのかはわからない。ただ2階への階段の1段目は水に浸かっていた。20cmくらい廊下の床から図ると浸水してるんじゃないだろうか

猫と俺の自室を祖母に貸した俺は隣の部屋にいた。猫は部屋よりも俺がいいと思ってくれたようで俺の隣までやってきてゴロゴロしている。母もやってきて「初めて二階建ての家買っていいと思ったわ」などと言っている。

明かりが足りないので懐中電灯片手に自室を物色し、モバイルバッテリーと昔使っていたガラケーを発掘する。
カメラのフラッシュが常時点灯できれば明かりの足しになると思ったのが、設定を思い出せないのか仕様として連続点灯できないのかすぐにフラッシュが消えるので役に立たない。

そのうち今家にいない他の家族が放置していた100Vコンセントの口が搭載されているモバイルバッテリーが発見された。
自室を再度懐中電灯片手に物色し、壁からLEDライトとACアダプタを引きはがしソイツに繋げる。ヤベーLEDとかリチウム電池とか文明の発明ダワー

そのうち一階からのゴボゴボ音が強くなってきた。見に行くと水位が下がり始めていた。
ここまで来たらもう朝を迎えるだけだなと思い寝た。

が、AM3時に母に起こされた。床上の水が引いたので一階に行ったら冷蔵庫が横転してたので起こしてくれ言われ
んなもん日が昇ってからでもかわんねーよ...と思いつつ冷蔵庫を立たせる。
ついでに和室だった祖母の部屋の様子でも見るかと引き戸に手をかけたのだが...俺の力ではどう頑張っても戸が水を吸ってあかないのである。
その時、床上浸水始まってからバーチャンおんぶして二階に逃げようというのが実際は困難であることを理解した。今回我々は間に合ったのである。

母親から猫がどうにも一階を探検していたらしく目が覚めて廊下に行ったらちょうど猫が一階からきまり悪そうに上がってきたと言っていた。普段人間も心配するほどにものぐさでやる気もなく自室から出ない猫ではあるが、今回は流石に下で何かが起きてそれが収まったとでも思ったのか遊びに行ったらしい

外の様子を見てみると、道路はまだ膝ほど水があったのだが、ご近所さんや街灯の明かりはついている。
電気は戻ったのだろうと、母と話し冷蔵庫の中身が心配だからとブレーカーを上げた。。。が電気が来ない。

仕方がなく諦めてブレーカーをすべて下げなおして二階に戻りスマホでググった。というか今まで漏電ブレーカーなるものを知らなかった。アンペアブレーカー?のみを気にして生きていたことを知った瞬間だった。
この瞬間、生活に役に立つ電気の知恵を得たのである。台風とは素晴らしい、普段知らなくてもどうにでもなることを嫌でも生活のために教えてくれる。何事も経験である。

ブレーカーの前に立ち全部のアンペアブレーカー?を下ろしてから漏電ブレーカーを上げる。上がる。
ブレーカーを一つずつ上げ始める。一つ、二つ、バチンッと漏電ブレーカーが落ちる。
上げる順番を変えてようやく一つだけ上げると漏電ブレーカーが落ちてやり直しになるブレーカーを見つけた。
が、どこに繋がっているのか知らない。何が上がらないのか、漏電しているのか分からない。
そもそも、この状態で漏電ブレーカーが作動しない箇所だけ全てブレーカーを上げていいのか?AM3時である。
火事になったらどうする?と母と話しどうにもならんから朝まで全部ブレーカーを下げることにした。火事になるにも日が出てからでいい。

朝になり、近くに住んでいる姉夫婦が応援にやってきた。我が家よりも高い位置に家があるので床下浸水もなかったらしい。外も水は引いた。
漏電している箇所が分かった。全員におかしいと思ったらすぐにブレーカーを落とすように、コンセント引っこ抜くようにとブレーカーを上げた。
上下水、ガス、電気が復旧した。ネットワーク機器も1階のおおもとのスイッチが浸水して駄目になり1階のネットワークは駄目になったがONUやルータ、サーバは全て2階にあり、インターネットに接続する部分はルータが3重化、ONUが2重化していたため最低限度の稼働は始めた。逆に言うと全部稼働していれば1番機とか主機になるべく装置がちゃんと上がらず、ここが冗長構成で安心したのは確かである。(電源ロストに対しては無力であるが...)おかげでWiFiも飛び始めた。

その後は...姉夫婦が持ってきてくれた除湿器が活躍したり、畳をはいで延長ホースとノズルで和室を洗浄したり、引き出しを開けてご登場する汚水を捨てたり、家具を移動させた結果今回我が家唯一の生物の犠牲者となったゴキブリの仏様を発見したり、家具を捨てたり、濡れた本を始末したり、姪っ子が猫を襲撃して猫が困ったりとドタバタしたが、とりあえずまた一階の台所で温めた飯を一階で食っている。
車庫の車のエンジンがかからず水をケツから吐き出してうんともすんとも言わずに放置されたり、俺のチャリンコの荷台にどこから流れ着いたのか分からん木のウィング(トタン板?)が乗っていて床上浸水号として第二の人生を歩ませるか悩んだりとまぁあったのだが、発見されたゴキブリの仏様以外に犠牲者はなく、人間猫共に無事だった。
なんのことはなくよくある「こうなるとは思ってなかったわー」だの「いやー30年住んでいて初めてですよー」だのという自然の驚異をナメていた一家が食らった災害な一日である。
...のだがそういうナメていた我々でもいい勉強になったことは多々あった。

床上浸水してからではたぶん遅いんだろうとか
懐中電灯ってもっと本数必要だったんじゃないかとか
懐中電灯のような前を照らす照明じゃなくて周囲を照らすランタン的な非常用照明器具必要だったんじゃないかとか
UPSを家具の奥に設置すると停電時にピーピーウッセーが非常事態でそれを止めるだけの気力もなくただウッセーなアレとなるなとか
床上浸水って上水で流さないと泥スゲーなとか
床上浸水したら掃除するときにまず引き出し開けて机をわざと脚持ち上げてみないと掃除し終わりかけたときに汚水がドバっとインチキおじさんの如く登場するとか
冷蔵庫は床下浸水25cm程度でも横転するぞとか

でも今回一番ためになり、難を逃れるきっかけとなったのは床下収納の存在でしたね。
床下収納の蓋があそこで勝手に持ち上がらなかったらもっといろいろ危機感が足りなく間に合わなくなったんじゃないのか、とは思います。